流域下水道の
高度処理は、
南多摩処理場及び
多摩川上流処理場で実施しております。
四ページに参ります。下水の熱利用の現状についてでございます。
下水道施設内での利用と施設外の利用に区分しまして、下水の熱利用の現状についてお示ししてございます。
下水道施設内での利用につきましては、
落合処理場など十六カ所で実施しております。施設外におきましては、文京区後楽一丁目地区において未処理の下水の熱を、
地域冷暖房事業に利用しておるところでございます。
五ページに参ります。監理団体の
経営状況と役員報酬についてでございます。
監理団体である東京都
下水道サービス株式会社の
経営状況及び役員報酬について、平成九年度実績をお示ししてございます。
六ページに参ります。
多摩地域の下水道の
普及状況についてでございます。
平成五年度から平成九年度までの各年度末の
多摩地域全域の
普及状況につきまして、普及人口及び普及率の推移をお示ししてございます。
七ページに参ります。
流域下水道における
雨水対策事業についてでございます。
流域下水道における
雨水対策事業の必要性及び
進捗状況、並びに今後の予定につきましてお示ししてございます。
なお、雨水幹線の整備につきまして、処理区ごとの
進捗状況を表にしてお示ししてございます。
八ページに参ります。
建設事業における
国庫補助金、企業債及び
一般会計出資金等の推移についてでございます。
昭和六十三年度から平成九年度までの過去十カ年につきまして、区部、流域別に
建設事業費とその財源内訳をお示ししてございます。
九ページに参ります。
政令指定都市における資本費の汚水、雨水の
費用負担区分についてでございます。
東京都及び各
政令指定都市の
費用負担区分を表でお示ししてございます。
東京都の
公共下水道事業におきましては、汚水に係る資本費は私費、雨水は公費という
負担区分になっておりまして、札幌市、名古屋市及び大阪市が都と同様の
負担区分となっております。
一〇ページに参ります。
市町別流域下水道維持管理負担金の推移についてでございます。
昭和六十三年度から平成九年度までの十カ年につきまして、各市町の
維持管理負担金を表でお示ししてございます。
なお、
維持管理負担金単価は、処理場への流入水量一立方メートル当たり三十八円となっております。
一一ページに参ります。
野火止用水、玉川上水、千川上水の
清流復活事業における放流量についてでございます。
通水開始以後、平成九年度までの各年度及び
放流先ごとに、
日平均放流量の推移を表でお示ししてございます。
一二ページに参ります。城南三河川の
清流復活事業における放流量についてでございます。
通水開始以後、平成九年度までの各年度及び
放流先ごとに、
日平均放流量の推移を表でお示ししてございます。
以上をもちまして、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
◯丸茂委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
◯たぞえ委員 私は、多摩の
流域下水道についてお伺いをしたいと思います。
東京都が、国が九年度に決定した第八次
下水道整備計画について
生活都市東京構想を決めました。この中で、
多摩地域の
下水道普及率を一〇〇%にする、目指す、こういうことで九年度予算でも
流域下水道の改良費に十八億二千六百万円、秋川流域の
下水道建設費に三十九億九千万円など、流域の
下水道建設費に総額で二百八十五億円、建設費に予算を計上してきました。
そこで初めに伺うんですが、東京都は
多摩地域について今後具体的にどのような
下水道整備を計画されているのか、お示しください。
◯藤田技術部長 生活都市東京の創造のための
重点化計画における
流域下水道事業といたしましては、
高度処理の推進、
合流式下水道の改善を
重点事業としております。
また、このほかに、
流域下水道の
整備促進、
下水道施設の再構築、浸水対策、そして、
下水道施設を活用した
情報通信基盤の
整備促進などを図ってまいります。
◯たぞえ委員 今お話を聞いておりますと、五つも六つもメニューが並んでおりまして、大変な財政を投資しなければならない、そういう計画であるかと思います。これらの事業費はすべて東京都の財政ではないと思うんですが、市町村の九年度の負担額と割合は、決算ではどのような推移になっておりましょうか。
◯庄司管理部長 平成九年度の決算におきまして、
関係市町の建設費用に係る負担金は六十二億三千三百万余円となっております。
◯たぞえ委員 その負担金の中でも、直接自治体が負担をしている、きょう資料をいただいておりますけれども八年度で百十四億九千二百万、九年度で百二十三億、下水道の
維持管理負担金というのがまた別にあるわけです。どうしてこのように、八年度、九年度と対比しますと大幅にふえているのか、その原因は何なんでしょうか。
◯庄司管理部長 維持管理負担金につきましては、先ほど先生のおっしゃいました金額になっております。
なぜ平成八年度に比べ平成九年度増加になっているかと、その理由でございますが、平成九年度に
関係市町の
維持管理負担金が増加しましたのは、一つには、普及率の伸びに伴い汚水量が増加したこと。二つには、雨水量も増加したことのために、処理場の流入水量が全体として増加したためでございます。
◯たぞえ委員 今いわれましたような、雨水と汚水の量がふえたと、こういうことなんですけれども、ところが多摩では十一の自治体で、
家庭排水汚水と、それから空から落ちてくる雨水、これを両方でとって処理する、こういうやり方が行われているわけですが、調布市と国分寺市での九年度の雨量と、十年度の四月から九月までの雨量の数字を示してください。
◯庄司管理部長 平成九年度に
維持管理負担金の対象となりました雨水量でございますが、調布市については六百九十一万余立方メートル、国分寺市は四百三十六万余立方メートルでございました。平成十年度の上半期、四月から九月末現在におきます
維持管理負担金の対象となった雨水量でございますが、調布市が八百三十四万余立方メートル、国分寺市が四百二十八万余立方メートルとなっております。
◯たぞえ委員 要するに、今の数字は雨量が大変ふえているわけでありますが、例えば狛江市でいいますと五十六万トン、小金井市で五十万トン、府中市で六十七万トン、十一の合流式を採用している自治体で九年度、十年度対比しましても、このように大量の降水量が既にことし一期、二期のこの期間だけで生じたというわけであります。
私、府中の降水量を調べてみましたら、ことしの四月に雨が降った日が十四日間、五月が十三日、六月十三日、七月十三日、八月十四日、九月十五日、ことしは月の半分は雨が降っているわけです。ところが、降った雨は地中にしみるわけではなく、すべて雨水を管で吸収しますから、当然汚水と一緒にその処理場に、雨の水が処理水として引っ張られていくわけであります。
ですから、この負担額というのは大変な額になっているわけであります。十一の自治体のうち小平市と東村山市を除くすべての市が、一昨年の一年間の雨の量を半年間で超えてしまった。こういうことになりますと、処理場で雨水も料金の
カウント対象になって、そして、一立方メートル当たり三十八円を自治体が負担をしなきゃいけない。これでは、自治体は幾らお金があっても足りません。
先日お伺いしたある市の
下水道課長さんは、朝起きると日課があるというんです。まず空を見上げて、きょうは雨が降るか降らないか、市の財政がそれで決まると、こういって庭に置いてあるバケツの雨量をいつも調べて、ああ、また補正予算を組まなきゃいけないと、こういうふうにおっしゃっていたのを聞いて、私は大変驚いてしまいました。
市町村はこうして、雨量によって財政の変動をいつも受けなければならない。ないお金をさらに借金をしなきゃいけない。こういう事態の改善について、九年度の東京都に市町村は要望されているというふうに聞いておりますが、どのような内容が出されているんでしょうか。
◯庄司管理部長 東京都市長会から、平成九年度の東京都予算編成に対する要望事項が、平成八年八月に出ております。その中で、
流域下水道事業の促進と財政援助という事項がございます。四項目ほど要求がございますが、その二番目が、
流域下水道事業建設費負担金の軽減を図られたい。三番目が、
流域下水道事業維持管理費負担金の軽減を図られたいと記載されております。
◯たぞえ委員
下水道事業の
維持管理費の経費や関係市の負担の軽減、それから、事業の公益性から都の負担金の増額措置を、こういう財政支援を訴えておられます。先日も都議会に、来年度予算の編成に向けての予算要望に市長会が見えまして、この中でも、今答弁がありました事項について、九年度と同じように要望が出されました。国分寺の例でありますが、八年度の
維持管理負担金が五億九千六百五十万円、九年度が六億九千九百九十一万円、こういう状況でありますので、この市長会の要望は大変私は道理があるというふうに思います。
市は、合流式で処理をするために、雨の多い年についてはこの
処理経費が重い負担となってのしかかってきますけれども、現在の深刻な財政難のもとで、これ以上の
財政負担には限界がある。まさに深刻な問題だと思います。局として、市のこのような要望に対してどのようにこたえていくんでしょうか。
◯庄司管理部長 流域下水道事業の
維持管理につきましては、これまでもできる限りの経費節減に努めてまいりました。今後ともこうした努力を続け、適切かつ効率的な事業推進を図ってまいりたいと考えております。
◯たぞえ委員 適切な処理をやると、こういうお話なんですが、しかし、現に合流式がその市の中に存在をしているわけでありまして、雨水はきょうは要りませんと、こうやってふたをするわけにいかない仕組みになってしまっているんですね。今後、こうした雨水と汚水を同時に処理しなければならないという事態は続きかねないわけであります。せっかく雨水が大量に降ってきても、それが地中にしみる機会を失って、そして有害物質と一緒になって処理場で処分をしなきゃならない。そのために、先ほどの資料説明でもありましたように、処理場の新設や増設などのための
高度処理のための再構築もしなきゃいけない。こういうことになりますと、本当に雨水の再利用ということが都民的にも希望が強い中で、むだになるのではないかと思います。
今、区部でも雨水を使った再利用の取り組みが行われ、この都庁でも落合の浄水場から下水水を中水としても利用されておりますが、雨水を地下に戻すということは、今の地盤沈下を防ぐ上でも、また、草や木が潤いを持つという意味でも──すべてを下水管でとってしまうというやり方は、下水管の負担を重くしていく点でも合流式というのは根本的な転換が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯藤田技術部長 合流式下水道と
分流式下水道につきましては、それぞれ利害得失がありまして、建設費であるとか、施工のスピードとか、それから雨水の処理が、特に降り始めの雨水の処理が適切にできるかどうかとか、さまざまな要素がございますので、地域の実情に即して個々に判断していくことになりまして、結論的に申しますと、分流式と合流式の優劣というのは一概にはつけがたいことになっております。
◯たぞえ委員 既に合流式を導入している十一の自治体は、その都度雨量に心配をしなきゃいけない。しかも、きれいな雨水と汚れた水を同時に
高度処理をしなきゃいけないというコスト面での問題ですね、こういうことが新たに今起こってきているということ。それから、三日、四日、連続的に雨が降った場合に、初期のころは汚い水として入ってくるわけですが、三日目、四日目になりますと大分地面もきれいになって、使えるような水がそれでも処理場に入ってきてしまう。そして処理場の能力がないということで、そのまま汚水と一緒に河川に流れ込んでしまうという仕組みに今なっているわけです。
ですから、最近、
下水道局が盛んにこの合流式の改善をしなきゃいけないといっているのは、その処理場の中に新たに、処理できない水を貯留する池をつくって、その処理が終わった後に第二次処理ということで施設もつくらなきゃならない、こういう新たな課題も抱え込んでしまっているわけですね。ですから、今ある施設を壊せとかという問題じゃないんです。どうしたら雨水に対する自然への流下と、そして、自治体の軽減を軽くし、また、同時に、処理の仕方も、
高度処理というならば、本来汚水に対してきちんと行うものであって、雨水を大いに自然に戻していくという立場に転換をするべきではないかということを申し上げたいと思います。
次に、
多摩地域の下水整備でありますが、あきる野市は
公共下水道が六一%、桧原村ではまだゼロ%という状況です。
家庭排水の処理は大変急がれていますけれども、
武蔵五日市以西の秋川幹線の将来計画、都としてはどのようにプランをお持ちなんでしょうか。
◯藤田技術部長 東京都の
流域下水道の今後の計画につきましては、
都市計画局において検討することとしております。
◯たぞえ委員 あきる野市の中にある流域幹線の秋川幹線ですね、将来は伸ばそうと、こういう計画が東京都はあるそうです。私の調査によっても、あきる野市から山岳部に向かっていく部分と、それから、檜原の町の中に
下水道整備を行いますと、約六十七億の経費がかかるそうです。しかし、管を通せば水が通るというんじゃなくて、その流れてきた水をどうするかという処理の経費もかかるんですけれども、
維持管理費、八王子の処理場の経費は、将来そうした自治体の負担として起こるんでしょうか。
◯藤田技術部長 流域下水道に流入します
関連公共下水道からの汚水を処理する場合は、
建設負担金及び
維持管理負担金をいただくことになっております。
◯たぞえ委員 そうですね。管を通せば水が流れるというんではなくて、その先の大きな器が待っていまして、そのために毎年負担をしなきゃいけない。それは確かに、処理をしてもらうんだから、お金がかかるのは当然だと思います。しかし、檜原村といえば年間わずかな財政力、年間財政が三十六億ですね。ここでその三十六億を超えるような事業を檜原村で起こそうというんですから、村にとっては大変不安であります。
生活排水の対策は、河川の水質保全の上からも大変大事なことだと思います。しかし、下水道の整備はその進捗が大変緩やかで多額の経費を必要としておりまして、特に山岳部にある集落の現状から見てみますと、この事業というのは大変長期を要さなければなりません。私も、
下水道局から地図をもらって、総務局の資料でどの集落に何世帯あるかという数字を入れてみましたら、大体一つの集落で三十から三十五世帯が暮らされているんですね。その集落から集落までの距離なんですけれども、二キロとか一キロとかという長い、民家がない区間が続くわけであります。
ですから、民家がないところは確かに工事は早いでしょうけれども、人が住んでいるようなところは道路を掘り返すということもあって、大変長期化した事業にならざるを得ません。しかも、檜原村の入り口と奥多摩の一番奥の標高差は四百メートルありますから、四百メートルに下水管を通すとなりますと、区部とは違って大変な技術を用いなければいけない。それだけでも大変な
事業負担、それは結局起債を起こして、村の大きな負担とならざるを得なくなるんじゃないでしょうか。
そこで、財政力が低い檜原村が厚生省の
生活排水処理基本計画策定指針というものに基づきまして、平成六年の一月に、檜原村
生活排水処理基本計画というのを策定いたしました。この中では、檜原村が今、下水道ゼロ%ですので、村の方針として、家屋の集中しているところでは
合併浄化槽とか、また、
集合型処理施設の建設ですとか、それから、家屋が分散している地域では
小型合併処理浄化槽の整備をする。村としてこういう方針を掲げて、今、普及に全力を上げているわけです。これらの
合併処理槽は台所の水ですとか洗濯の水、ふろ場の排水の水、それからし尿、こういうものを約八分の一の水質にきれいにして、そして、工期も大体三日から五日間あれば、この浄化槽が設置できるというふうにいわれています。
東京都清掃局が出しています「浄化槽の
健康管理」という
パンフレットを読んでみますと、浄化槽の仕組み、
維持管理について、国や東京都からもきちんとした補助金がつき、年一度の清掃にも四万円の補助金がつくということで、
下水道工事では十年も二十年もかかるのに対して、三日、五日で
家庭排水が浄化される、こういう点で清掃局がこの取り組みを強化しているそうであります。
特に、
コミュニティプラントというのがあるんですが、これは各家庭ではなくて、三つか四つの集落で一カ所置くと。このことによって、小さな
下水道処理場といわれておりますけれども、人口増加が見込まれないところでは、大変気楽に導入できるものだというふうに、この
パンフレットに書いてありました。
この檜原村の地域の特性といいますと、海抜が高いとか、それから人口が少ない、三千六百人の人口でありますし、また、土地利用など、そういう特性を見てみましても、各戸に
生活排水を処理するこうした施設を緊急に、私は整備することの方が大事ではないかと思います。
下水道局の皆さんからお話を聞きますと、とにかく一〇〇%多摩で
下水道管を整備するんだと、意気込みは大変いいと思いますが、しかし、現実の村の力とか環境などに照らし合わせたら、その方式がそれで通用するのかどうか、こういう点も大いに再考しなければならないと思います。
そこで最後にお伺いしますのは、檜原村が決めています
生活排水処理基本計画、ぜひこれを尊重するべきだと思うんですけれども、地域に合った
処理方式、水を扱う専門家である皆さんが、より多くこうした自治体の意向を尊重して、一刻も早く
生活排水の排除というんでしょうか、整備に取り組むべきだと思います。その上で、ぜひ
都市計画局とも、また檜原村とも協議をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
◯藤田技術部長 一般に小規模な市町村の
下水道計画あるいは
生活排水の処理の計画の策定に当たりましては、地形とか気候、人口、先生おっしゃるように、土地利用あるいは集落の分布状況、それから観光人口、地域環境、そして財政状況など、さまざまな要素を、個々の地域の実情に即して総合的に勘案して判断していくこととしております。したがいまして、今後この檜原村の
下水道計画あるいは
生活排水の処理の計画につきまして、その計画の策定の検討を見守っていきたいと考えております。
◯たぞえ委員 先ほど申しましたように、水を扱う専門家の皆さんでありますので、その技術も、それからそういう地域の特性も、大いに知恵も力も持っていらっしゃると思うので──小さな村のまさに最大の事業なんですね、下水管の配備というのは。しかし、
過大投資になって村に財政破綻が起こらないように、そうした財政面からも、そして、
過大投資によって
住民負担が過大になるようなことも避けるような、そういう点でのいろんな努力を
下水道局としてぜひやっていただきたいということをお願いして、質問を終わります。
◯東野委員 私の方からは、資料要求をさせていただきました中から
高度処理について何点かお伺いしたいと、このように思っております。
以前は流量がどんどん減少していきまして、そのために臭気の発生とか、あと水質の汚濁の顕著であった我が区を流れます目黒川も、ここ近年、平成七年から
落合下水処理場からの
清流復活用水が流されたということによるというふうに考えておりますが、水質改善が行われまして、近年は非常に変わってきている。目黒川もよくなってきております。下水の
高度処理が果たす役割といいますか、それがその地域に、
河川流域周辺に潤いや安らぎを与えるということで、非常に快適な水辺空間をつくってくれているということで、この役割は大きなものがあるのではないか、このように考えております。
もう一つの方の資料でもありますように、日量約三万トン弱の処理水が今流されておるわけですが、そこで、この現状を踏まえながら何点かお伺いしたいと思います。
まず一点目に、平成九年度決算なわけですが、平成九年度は前の
財政計画の最終年度に当たるわけでございますけれども、その
財政計画期間中に行われました
高度処理の整備内容とその投資額について、お伺いしたいと思います。
◯田嶋建設部長 平成六年度から九年度までの前
財政計画期間中におきまして、
有明処理場と
東尾久浄化センターで
高度処理施設の建設を行っております。
有明処理場につきましては、平成八年の七月に稼働しております。また、
東尾久浄化センターにつきましては、平成十年度末一部完成を目途に、現在、
急速砂ろ過施設の建設を進めております。この間の
建設投資額でございますが、二百十二億円余でございます。
◯東野委員 その
財政計画期間中の投資された
高度処理事業費ですね、これは全体の予算からすると若干少ないように感じられるわけでございますけれども、
高度処理施設の現在の整備状況はどうなっているのか、お聞きします。
◯大迫施設管理部長 平成九年度末におきまして、先ほど申し上げました
有明処理場に加えまして、従来から
落合処理場で
高度処理施設が稼働しております。両施設合わせて
処理能力は一日当たり四十八万トンでございまして、その
高度処理水量は、区部の全体の
処理水量の約一割に相当いたします。
◯東野委員 流入下水量の一割ということで、
高度処理の進捗というのは余り進んでないというふうに考えるわけでございます。当然ながら局としてもこの事業についてはいろいろ考慮されながら、また、一つの大事な施策として考えられていると思いますけれども、この事業を推進していく上での局において考えられる隘路といいますか、障害といいますか、そういったものは何かあるんでしょうか。
◯小山計画部長
高度処理がなかなか進まないというご指摘でございますけれども、まず、現在稼働している施設の能力を生かしながらといいますか、能力を落とさないように
高度処理について切りかえていかなきゃいけないといったことで、系列ごとに徐々に切りかえる必要があるというのが一つございます。
それからまた、施設には耐用年数がございまして、現在使っている機械等の耐用年数、それらも見きわめながら、再構築に合わせて順次切りかえていきたい、このように考えております。また、
高度処理の導入につきましては多額の費用が要りますので、今後、財政の確保といったことが課題になってまいります。
◯東野委員 確かに、今お聞きしたように、推進していく上でさまざまな課題があるということはわかるわけでございますけれども、私は、もう一方で、
高度処理というものが、例えばトイレの水洗化などと違いまして、都民に効果がわかりにくい事業であるということも一つの原因なのかなというふうに思っております。
高度処理の導入に伴いまして、例えば神田川に鮎が上がってきたとか、目黒川もアオサギが飛来したりとか、最近は目黒川にも鮎が来たというような話をしておりますけれども、そういった水質改善の効果があらわれているわけですね。
こうしたこともぜひ含めながら、
下水道事業の必要性や効果などをもっとPRをして、都民の声、そういったものの後ろ押しといいますか、そういったものを受けるぐらいのことをしながら進めていかれるということも一つじゃないかというふうに思うんですが、その辺の見解とあわせまして、今現在、局が行われている広報活動の内容について簡単にお伺いできればと思います。
◯緒方総務部長
下水道事業の円滑な執行を図りますためには、都民の理解と協力が必要不可欠でございます。特に一〇〇%普及概成後は、下水道の存在が都民の意識から消えてしまうことが懸念されますので、今後の事業展開を図るに当たりましては、都民に対する広報広聴活動が極めて重要であると認識いたしております。現在行っています一般的な広報活動といたしましては、まず新聞、テレビ等のマスコミに対しまして、機会あるごとに積極的に情報提供をいたしております。下水道に関します話題ですとか最近の情報等を提供いたしまして、都民にアピールをいたしております。
次に、都民に直接
下水道施設を見ていただくために、各種の施設見学会などを実施いたしております。そのほか、各区で行います各種行事には私ども積極的に参加いたしまして、パネルの展示などをいたしまして
下水道事業をPRいたしております。そのほか、印刷物による広報活動でございますけれども、一般都民向けの広報誌でございます「ニュース東京の下水道」というのを隔月、一カ月置きに発行しておりますけれども、金融機関ですとか区役所の出張所あるいは学校等に配布しているところでございます。
◯東野委員 そのPR活動につきましても、お金をたくさんかけてやっていくのが何もいいわけではなくて、今おっしゃられた中でも直接都民と接する機会といいますか、そういったものが工夫の中に取り入れられていくということが大事ではないかなというふうに思います。テレビのコマーシャルでも余りお金ばかりかかりますので、中で、施設見学会とかそういったのは非常に一つの大きなPR手段だというふうにもちろん思いますし、私自身もそういったことに議員活動の中で心がけているわけでございますけれども、そういったこれからのPRに当たっては、いろいろな工夫を凝らしながらぜひ進めていただければというふうに考えております。
また、次に、私は常々考えているわけですけれども、従来行われてきました大量生産、大量消費、それから大量廃棄といいますか、そういった社会から地球環境に優しい循環型社会に今切りかわりつつある、そういったことを都としては大きな方針として出されているわけですが、その必要性の大なるものを私は考えているわけですけれども、中でも、水というのは生命を支える重要な役割を担っているわけで、東京という大都市に見合った水循環、こういったものをつくり出すことが非常に大事じゃないかというふうに思っております。
そこでお伺いしますけれども、現在、下水処理水をどのような用途に利用して──何点かあると思いますが、また、量は全
処理水量に対してどのぐらいの割合で利用されているのか、この辺のところをお聞きしたいと思います。
◯大迫施設管理部長 この東京都庁舎も含む西新宿、中野坂上地区や臨海副都心地区の事務所、ビル等の水洗トイレ用水として、また、城南地域の渋谷川、古川、目黒川、呑川に
清流復活用水として下水の
高度処理水を利用しております。平成九年度の再生水の利用の実績でございますが、処理場内の利用も含めまして約三十六万トンでございます。この量は、区部の
処理水量の約七・四%に当たります。
◯東野委員 下水処理水の再利用につきましても、今のお話にありましたように七・四%ということで、利用率がまだまだ低いんじゃないかなと思います。下水処理水の再利用拡大に向けての課題として挙げるとすると、どんなようなものがあるでしょうか。
◯小山計画部長 下水処理水の利用拡大についてのお尋ねでございますけれども、大きく分けまして三つあるというふうに考えております。
まず一つといたしましては、水道水の料金よりも安いものを提供しないと、なかなか利用拡大が進まないだろうと考えておりまして、その意味で、供給するための配管といいますか、パイプの延長が余り長いとこれが高くつくというのが一つございます。それから利用する量ですね、一カ所で使用する量、この量がある程度まとまらないとコストにはね返ってきてしまうというのが一つでございます。
二つ目といたしましては、できるだけ新しい技術で安くて良質な水を提供できるように技術開発をしていかなきゃいけない、このように思います。
三つ目といたしましては、これは利用される方の問題になりますが、建物の中の配管を上水と再生水用の二重配管にしなきゃいけない、こういった課題がございます。
◯東野委員 これで質問をやめるわけですけれども、
高度処理にしましても、それから今お聞きしました下水処理水の再利用にしましても、いろいろ課題というか、問題があるようでございます。
そこで最後に、循環型社会づくりのためにぜひとも
整備促進方をお願いしたいわけでございますが、最後に局長より
整備促進に向けての決意を伺って、終わりたいと思います。
◯鈴木
下水道局長
高度処理につきまして大変力強い励ましのご意見を賜り、ありがとうございました。
高度処理施設の整備、下水処理水の再利用につきましては、いずれも「
生活都市東京の創造 重点計画」に盛り込まれました都としての重点施策でございます。
高度処理施設の整備につきましては、施設の増設や再構築に合わせまして、導入効果の高い処理場から順次
高度処理を導入してまいりたいと考えております。
また、下水処理水の再利用につきましても、再開発や大規模公共施設等の整備に合わせまして、水洗トイレ用水などの雑用水として活用してまいります。
こうした施策を通じて良好な水循環の形成を図るとともに、循環型社会づくりに積極的に貢献してまいります。
◯中山委員
下水道事業は、ちょうど「都政新報」に鈴木局長が随分書いてありますね。これ、じっくり読ましていただきました。特に「夢を育てる」、「願えばかなう」というようなことで、私もきょう、お願いかたがた質問したいことがたくさんありますので、お願いを聞いていただきたいというふうに思います。
まず、今ままでの
下水道事業、それとこれからの
下水道事業、二つに分けていますよね。今までの
下水道事業というのは、一〇〇%普及しようということでずっとやってきまして、それに追われていたと。しかし、今考えてみますと、もう五十年もたっている老朽化した施設がたくさんあるわけですね。特に、下町なんかでは大変老朽化が進んでいまして、私の前の商店街も、酒屋さんのトラックが急に傾いたんですね。それで、そこが陥没している、抜本的にやらなきゃいけないということで見たら、相当あちこち下水が傷んでいる。ですから、下水をいじるんだったらついでに上の道路もやっちゃえということで、相当のお金をかけて商店街を整備したんですが、このように、老朽した箇所をほっておくということは大変なお金がかかるというんですか、後でとんでもないお金を使わなきゃならないという事態になるわけですよ。
そういう面でも、そろそろ私どもの下町なんかは、九〇%ぐらいがもう五十年以上たっているというようなことで、かなり傷んでいるのは事実なんですね。そういう面で、今までの
下水道事業というのは、一〇〇%普及に向かって一生懸命やられた。これからは今ある下水道を再構築していく。さらに、そのときにいろいろな技術──
下水道局は三千人もの技術者を抱えているということで、相当な頭脳集団だと私は聞いていますよ。
ですから、皆さんが、これからの
下水道事業というのは、新しい再構築に向かってどうやっていくのか、その計画を示してもらわなきゃいけないんですが、何かどうも投資額の抑制を相当図っているみたいで──
下水道事業というのは大変な公共事業だと思うんですね。それから経済波及効果も高いんです。箱物をつくるのとは違って、都民のライフラインとして使っているわけですから、余り抑制されちゃ困るんですよ。何か相当
下水道事業も投資的な経費を抑制するといわれていますが、その実態はどのくらいなんですか。
◯緒方総務部長 二十三区内の
公共下水道はほぼ一〇〇%となっておりますけれども、まだ一部の区に下水道の普及していない地域が残っておりまして、人口では約一万七千人でございます。このような未普及地域の早期解消を初めといたしまして、老朽化した施設の再構築や浸水対策など、都民に対しまして下水道サービスの提供の維持向上のためには引き続き一定規模の建設投資が必要であると認識いたしております。しかし、投資財源には制度上、企業債がかなりの比率を占めております。そのため、今後の後年度負担の累増を可能な限り回避できるよう、前回の
財政計画における
建設事業費と比較いたしまして二千四百三十億円、二六%抑制いたしまして、新
財政計画の四年間では六千九百億円となっております。
◯中山委員 とにかく公共事業が悪者になっていますけれども、こういうような社会の本当の基盤の
下水道事業というのは、再構築なんかもどんどんやるべきだと思うんですね。ただ、頭の発想の中に、投資的な経費でうんとお金を使っちゃうというような発想だけだと思うんですが。
下水道を完備するというのは、台東区なんか、先ほどちょっとお話ししましたように、ちょうど
下水道工事をしたときに表面の道路も直して、それだけ地域社会でお金を使って、地元の商店街にもお金を出さして、さらに表面まで再構築していくようなことをやれば、相当な経済波及効果があるわけですね。地元のいろんなこういう関係の方にも聞きましたけれども、何かどうも東京都の方で及び腰で、なかなか再構築が進まないんじゃないかという心配をしているわけですよ。
そういう面で、再構築がなぜ必要なのか。例えば、五十年たって今大変老朽化した、これを五、六年ほっとくとどうなるか、もう既に相当陥没している地域が出ていますし、新しくせっかくきれいに舗装したのに陥没してしまったり、それから、何かガス臭いのでガス会社に来てもらって、商店街のどこだろうと調べたら、あるところで陥没していてガスが漏れていたんですね。そういうような意味で、再構築の意味というのは大変大きなものがあると思うんですが、その辺いかがですか。
◯小山計画部長 現在の老朽化した施設の現状ということでお話しいたしたいと思いますが、平成九年度末におきまして、ご指摘のように、古く老朽化した管渠が二千キロメートル、現在、区部にございます。これは、全体の延長に対しまして一三%にも達しております。また、今ご指摘がございましたように、道路陥没等が年間で千三百件ほど区部で起きております。また、ほかに、いわゆるパイプだけではなくて、設備につきましても全体の四割近くのものが耐用年数を超えている、こういったことがございます。また、古くなっているということだけではなくて、都市の構造の変化、いわゆる生活様式の高度化等も含めまして、古い管は能力不足が発生してきているというようなことがございます。
◯中山委員 今お話しになったとおりだと思うんですよ。それだけやらなきゃいけない事業だし、非常に危険な部分がありますよね。急に車が穴へおっこったとか、大きな事故にも結びつくということがあり得ると思うんですね。浅草でも今、ちょうど地下駐車場をつくっているときに、一回すごい陥没があったんです。水が出ちゃって、これは水道だったのか下水だかよくわからないんですけれども、とにかくそういう老朽化した管が壊れたことはもう間違いないんですね。そういう面でなかなか、これから地震でも起きたら大変だなというふうに思っているので、再構築は公共事業の一つとして特にやっていただきたいと思うんですね。
先ほど資金繰りが大変厳しいんで、いろんな意味で問題を提起されましたけれども、国庫補助と、それからあとほとんどが企業債ですよね。企業債の問題というのはなるべく、やりくりのためにも相当うまく考えていかなければいけないと思うんですね。特に、一般企業、または金融市場からお金を持ってくるのと、大蔵省の資金運用部から持ってくるものがあると思うんですけれども、あの当時で聞いてみますと、大体五%、六%の金利を払っているものが随分あると聞いているんです。普通だったら、会社だったら何とか繰り上げて償還して、もっと安い金利に変えるとか、いろいろやっていますよね。だけども、そういう知恵がどうも働いていないような気がするんですが、一般的に財源確保にはどういう考え方を持っているんでしょうか。
◯緒方総務部長 先生のご質問は、企業債の金利の件ということでお答えしてよろしゅうございますでしょうか。
◯中山委員 一般的な財源のね。
◯緒方総務部長
建設事業の主な財源は、今先生の方でございましたように、
国庫補助金と企業債と一般会計の出資金でございます。しかし、現在、企業債がかなりの比率を占めております。私どもといたしましては、過去に借りました起債がかなりの高金利でございまして、これが財政を圧迫いたしております。したがいまして、当局といたしましては……
◯中山委員 私のいっているのは、五%、六%ぐらいの金利で借りている過去のものが随分あるわけですね。ですから、繰り上げ償還をして、もうちょっと安い金利に変えられないかという質問が基本なんです。
それともう一つは、二兆八千億円ぐらいもう既に借金があるから、普通の一般企業ですと、今、利付といって、返済するスケジーュルを変えてもらったり、銀行に頭下げてみんなやっているんですよ。そうやって資金繰りをしっかりやっていかないと、大変な企業運営になるわけですね。
もう一つは、借金を払うのは最終的には税金ですから、皆さんの税金を預かっているんだから少しでも安い金利のお金を借りてくれないと我々は困りますよということなんで、繰り上げ償還を含めて少しそういう資金繰りをしっかりやってもらいたいということを今いっているんで、それに対して答弁をいただきたい。
◯緒方総務部長 現在、企業債は、未償還残高が二兆八千億円ございますが、この企業債のうち、まず民間資金の借りかえの問題でございます。
現在金利が低いからといいまして、都で過去に高い金利で発行いたしました都債を一方的に繰り上げ償還を行いますことは、都債の信頼性ということを損ないますので、現在、繰り上げ償還等は民間資金については行っておりません。また、政府資金の借りかえにつきましても、国は資金運用部資金の原資でございます郵便貯金の金利水準に影響を与えますということで、現在そのような繰り上げ償還については原則として認めておりません。
ただし、唯一国の制度といたしまして、公営企業金融公庫資金についてのみ一部限定的に借りかえ制度が認められております。当局といたしましては、この借りかえによります支払い利息の軽減が図れますということで、国に対しまして企業債の借りかえにつきまして、現在の公庫資金に加えまして政府資金も対象にすることなど、借りかえ制度の充実につきまして、私どもはふだんから要望いたしております。
都だけではなくて、下水道協会ですとかあるいは他の都市と共同いたしまして、要望活動なども行っております。可能な限りの努力を重ねてまいりたいと思っております。
◯中山委員 これも「都政新報」なんですが、そういう意見なのに世論に反逆するかのように、公債、公募債から繰り上げ償還条例を削除するというのが東京都の方針みたいで、投資家というか、銀行からお金を借りるのに、それをやっちゃうと信用がなくなっちゃうとかなんとかということらしいんですけれども、本当にそれができないことは──何回かは繰り上げ償還はやっているんですよ。二回までは認められているはずだと思うんですが、そういうことをどんどんやってもらって、できる限り金繰りをよくしてそれで再構築をしてもらいたい。特に、台東区は九〇%だと先ほどいいましたけれども、陥没が起きたり、歩いている人が急にいなくなっちゃったとか、そんなことがあっちゃ困るから、しっかり陥没のところはやってもらわないと危険ですよということをいっているんです。
もう一つ、この新聞を見ますと、世界一というのが三つあって、世界初というのが幾つかあるでしょう。例えば
光ファイバーの設備技術なんていうのは世界で初めてだって書いてある。それから、メトロレンガの製造だとか下水道の更生技術、こういう技術を開発してお金にならないんですか。三千人も技術者を抱えているわけですから、少しでも皆さんの予算の中にお金を生むような組織として、そういう技術団は働かないんですか。
例えば
光ファイバーなんかを使って入れていますね。これは通信技術として、通信のインフラというのは、アメリカだって、ハイウエー構想だとか、すごい大きな政策としてとらえられていますよね。そういう面では、そういう新しい技術というのは全然お金を生まないんですか。資金繰りがこれだけ苦しいんだったら、その辺、少し考えなければいけないんじゃないですか。
◯小山計画部長 新しい技術を利用してお金にならないかというご質問でございますけれども、二つ効果があると思っておりまして、一つは、先ほど事例としておっしゃいました
光ファイバー敷設ロボット、これは人の入れない小さなパイプに
光ファイバーを敷設するロボットでございますが、実際に昨年度、ベルリン市と東京都の技術協定みたいなことを行いまして、五年間で五百キロメートルほどベルリン市の中で敷設をするために、技術を提供しております。これにつきましては、一定の特許料といいますか、開示料というのか、私、ちょっと専門的にはお金の方はわかりませんが、一定の協定に基づいて収入が得られるようになっております。
またもう一つ、再構築等で、現在使っておりますパイプが、内面を被覆することによって更生、いわゆる入れかえないでそのまま使えるような技術も私ども開発しておりまして、これは地方で使った場合には収入になるということもありますが、当局で利用した場合には、いわゆる掘らないでパイプをまた使えるようにするといった意味の経済効果、そういったものがあると考えております。
◯中山委員 これを読むと、相当いろいろな技術を開発しているんですよね。だから、一般企業だったら、こういう開発した技術は商品としてお金にかえるとか、収入にかえるわけですよ。東京都の予算なんかもそうですけれども、つくり方としては家庭の家計簿と同じですよね。収入があって支出があるわけで、当然、収入より支出の方が多ければ苦しくなるわけですよ。そういう面で、収入を得るために、これだけの技術があるわけですから、それをもうちょっと企業的な発想でお金にならないのかと思うんですね。
うちの民主党は決算委員会というのをすごく重要視しているんです。それは予算よりも決算の方が大事だ。決算というのは、今までやってきたことを評価するということなんですよ。ですから、民主党の考え方としては、この決算で、今までやってきた事業の中で──これからの
下水道事業ということを、何回も局長がうたっているわけですよ。ただ一〇〇%普及するのは今までの
下水道事業だった、これからの
下水道事業というのは、新しい付加価値を生む事業なんだ、こういうふうにいっているわけですよ。ですから、
光ファイバーにしても、
高度処理した水にしても、もっとうまく活用できないかと思うんですね。
前に落合のせせらぎ公園へ行ったときに、あの当時の村田局長がこうやって飲んでいるの、下水道の
高度処理した水を。あの人は体が丈夫だから何でもなかったのか(笑声)それとも下水道処理した水というのは本当にそこまできれいなのか、それはよくわかりません。わかりませんけれども、そこまでやるような技術があるんであれば──人間が飲んだんですから、ほとんど水道水に近いわけですよ。そういう面で、私どもは、下水道の水というのも、下水からきれいになったから抵抗があるというのか、もっと証明できるきれいさであれば、活用の仕方は違うと思うんですよ。
今の鈴木局長は飲んだかどうかわからないけれども、前に村田局長が飲んだ水というのは、飲める水なんですよね。そこまで
高度処理されているんですか、イエスかノーかだけ、ちょっと……。
◯鈴木
下水道局長
落合処理場のせせらぎの里に流しています水は、膜処理をした水でございまして、これはあらゆる物質を膜で遮断してしまう、取ってしまうということですから、飲んでも一向に差し支えないということで、私も過日、村田前々局長のご命令によりまして飲んだことがございます。何でもございませんでした。(笑声)
◯
緒方経理部長 ただいまの、いろいろな技術を活用して収入を上げるべきだということでございますけれども、決算でございますので、九年度の収入について若干申し上げますと、
下水道局が開発した特許を民間が利用された場合に、利用に応じて実施料として収入がございまして、九年度には二千三百万の特許料等に伴う収入がございますし、もちろん七年度、八年度も、これより若干下回りますけれども、収入があるわけでございます。
また、今、水の話がございましたけれども、再生水の利用で、先ほども議論がございましたように、新宿地区であるとか、あるいは臨海副都心地域だとか、再生水の供給をしております。それもその供給で数億の収入が得られておるという形で、全体的に、そういう技術を活用しながら、これから徐々に収入を図っていきたいというふうに考えております。
◯中山委員 私も都庁でいろいろ聞いてみると、
下水道局は本当にすばらしい技術を持った技術者がたくさんいるというんですね。しかも、その技術関係の方が三千人いるわけですよ。ですから、いろいろな意味で、技術というものをもっと付加価値を持たせてお金にかえていくという作業が、すごく大切な作業だと思います。今いったように、それはかなりお金になっているそうですけれども、もっと売り込んでやる必要がある。
先ほどいったように、下水道だから見えない、どうしても一般の人の目に触れないから、そのままになってしまうことが多いかもしれないけれども、今の水だって、実際に飲んでみて飲めるということを証明したのならば、そういうものは夏には当然プールにも使えるし、いざ水がなくなったときの備えとしても有効に生かせる可能性もあるわけですよ。
処理水というのは、飲めるところまで基準を上げていくと、恐らく相当お金がかかってしまう。コストの面で難しいかもしれない。でも、本当に水がなくなったとき──前にもありましたよね。オリンピックの前に一回、東京で異常な渇水状況があった。あのときも、水をタンクで運んできて、どうしようもなかった。そんなこともあったわけですから、最悪の事態に備えるためにも、そういう水というのは活用の仕方があるし、どうしても水道水がだめだったらば、プールに活用するとか。だって飲めるんだから、プールにだって活用できるわけでしょう。局長、そのくらいの自信はあるんでしょう。うまく利用するいろいろな方法論をもっと訴えていただかないと、下水道の技術者が泣いちゃうと思うんですよ。
幾ら技術があっても、物はやっぱり営業がなければだめなんですね。そういう面で、
下水道局はこれだけすばらしい技術を開発したりなんかしているんですから、もっと営業努力をした方がいいんじゃないか、売り込みをした方がいいんじゃないかと思うのです。
先ほどの東野議員の質問もそうだと思うんですね。要するに、地面の下でやっているから何も見えないというんで、我々もつい関心を持たない。しかし、もっと広報、宣伝することによって──この技術は、日本だけじゃなくて、世界にも通用する技術なんでしょう。世界で初というのが三つで、世界一が二つで、日本一が二つあるわけですよ。みんなすごいですよ。さっき一日の
処理能力が四十八とかいったけれども、四百八十四万立方メートルの間違いじゃないですか。さっき四十八といわなかったですか、細かいことで申しわけないけれども。これも東京ドームの四杯分だというんですけれども、こういう
高度処理した水が将来、お台場地域で水泳ができるようにするくらいまで高めていただきたいと思うんです。
とにかく、いろいろいってもしようがありませんので、二つだけ最後にお願いなんですが、一つは、台東区の九〇%老朽化した施設は早くやるように、事故車が出る前にお願いをしたいと思うのです。もう一つ、お台場地域だとか、こういう地域が、本当に人が泳げるというか、水辺で遊べるというか、こういうことができるようにお願いしたいんですが、鈴木局長、ここに夢を育てると書いてあるので、最後に決意と夢を語っていただいて、私の質問は終わります。
◯鈴木
下水道局長 老朽化した下水管渠の再構築につきましては、ただいま先生からお話がございましたように、大変危険な場所もございますので、そういう人間が入れないところにつきましては、現在、テレビカメラで全部調査しまして、特に危険なところについては緊急の手当てをしております。現在、再構築として行っておりますものは、ある程度面的に、老朽化した管渠があるところについて計画的に面的に整備していこうということでございまして、これも我が局の事業の最重点課題として位置づけてやっておりますし、今後とも推進してまいりたいと考えております。
それから、
高度処理の問題につきましても、お台場で泳げるというのは、何年までにというのは現在では若干申し上げられませんけれども、最終的な目標としましては、お台場を初め東京湾で泳いでも差し支えないような水質になるように、
高度処理施設の建設を着々と進めていきたい、かように考えております。
◯藤川委員 私は、数年前にある大国の縫製工場を訪問したことがあるんですが、その大国は、新しい市場経済理論に基づいた縫製工場のすばらしさということを我々に説明してくれたわけです。ちょっと小休止ということで、トイレはどこですかと私は聞いたわけです。そしたら、あそこだといって通されたところに行ってびっくりしたんですが、二十畳くらいある大きな、これがトイレだという場所に、何にもないわけです。コンクリートの打ちっ放しのところに案内されたわけです。これは弱ったな、どこで用を足せばいいのかと思っていましたら、よく見ましたら、幅三十センチくらいで、長さ十メートルくらいのコンクリートが打ってないところが五列くらい並んでいるわけですね。要するに、それがトイレだったわけです。悪臭を放っていないところを見ると、ときどき水が流れて、その水が川に通じているのか、どこかに行っているのか、いずれにしても、大変なトイレだったわけです。
それを見たときに、私は、戦争中におばに連れられて奥多摩の奥に行って、ある農家のトイレを思い出したんですが、そこは四畳半くらいの真っ暗なところに、何と丸太が二本並べてありまして、その丸太に足をかけて用を足すという形で、はるか下の方でポチャーンポチャーンという音がするわけです。それはそのまま肥だめのような形でためてあるわけですね。
それは終戦間際の話ですが、そういうことを見てみますと、現在我々が住んでいる住宅のトイレというのは、あるときには沈思黙考する場所となっていますし、または静かに読書する場所ともなっているわけですが、そういう面で、先ほど中山さんがおっしゃいましたけれども、目に見えないところで皆さんが大変苦労しておられることの結果かなと思って、本当に感謝しているわけです。
そういうことで、これから質問させていただきますのは二つばかりありますが、
下水道事業に皆さんのより一層の奮闘を願いまして、より一層のすばらしい環境をつくっていただきたい、そういうことから質問させていただきます。
質問は二つあります。一つは、東京の豊かな水環境をつくり出していくための水道事業の進め方、次に都市の安全防災対策という面から、二つに大きく分けて質問させていただきます。
まず初めに、
合流式下水道に関する問題でありますけれども、合流式の下水道では、雨天時に下水の一部が雨水の放流口から河川に流出するようになっていると聞いております。野川の流域におきましては、下水道が合流式で整備されているために、雨の日には未処理の下水が野川に放流されております。このことは、野川の水質保全という面で非常に大きな問題ではないかと考えております。そこで、野川における雨天時の水質対策について、何点かお尋ねいたします。
まず、
多摩地域で合流式による
下水道整備を進めているのはどういった地域かということです。
◯藤田技術部長 八王子市、立川市、三鷹市など、それぞれの市が昔から単独で
公共下水道の整備を進めている地域の一部と、流域
関連公共下水道で整備をしております調布市とか府中市、小金井市など、全体として
多摩地域の約二五%の地域が合流式の下水道を整備しております。
◯藤川委員 それでは、これまでに
合流式下水道の改善のために東京都はどのような対策をとってこられたのか、ご説明いただきたいと思います。
◯藤田技術部長 合流式下水道の改善対策といたしまして、まず区部では、公共用水域に流出していく雨天時下水を削減するために、処理場へできるだけ多くの下水を送る管渠の整備をするとともに、ポンプ所、処理場内などへ降雨初期の汚れた雨水をためる雨水貯留施設の整備を進めております。
また、
多摩地域では、
流域下水道の処理場の中で、雨水貯留施設の整備を進めております。この雨水貯留施設は、北多摩二号処理場では既に完成しておりまして、北多摩一号処理場におきましても、平成十一年度中の完成を目途に、目下建設中でございます。
◯藤川委員 都の
流域下水道として、合流式の改善を実施しつつあるということはよくわかりました。しかし、野川については、雨水の放流口は沿線の各市が行っており、この改善対策は全く行われていないのではないかと思います。
非常に悲しい話なんですが、雨が降った後、野川で子どもたちが遊んでいると、そのあたりの事情をよく知っているおじさんが、ここは汚いからそこで遊ばないようにと注意しているということを、私、仄聞したことがあります。
野川の沿線の住民は、野川の水質改善を本当に望んでおります。
下水道局としては、先ほど三千人の技術者がいると中山さんがいっておられましたが、専門家として、
合流式下水道の改善のために、関係各市に対して何らかの技術支援が必要ではないかと思いますが、この点に関してはいかがでございますか。
◯藤田技術部長 野川流域の
合流式下水道の改善は、大変重要な問題であると思います。現在、その野川流域の
合流式下水道の改善のために、
都市計画局を中心にしまして、都の関係各局と流域の関連市と
合流式下水道改善対策促進協議会を設置しまして、これについての対策を検討しております。
今後は、ここでの検討結果を踏まえまして、技術的な支援をしてまいりたいと考えております。
◯藤川委員 私が野川について固執しておりますのは、野川というあんな小さな川でも、東京都の縦割り行政の弊害が出ているのかなということを強く感じているわけです。と申しますのは、野川の護岸ということで、改良工事を建設局が進めているわけです。それと同時に、親水性を増すという面では、本当にわずかな、猫の額みたいな河川敷ですが、そこを芝生を植える等々して公園化を図っているわけです。だから、近所の人たちはそこを歩くし、近所の子どもたちはその水辺で遊んでいるわけです。ところが、今、藤田技術部長にお答えいただきましたように、東京都はこれから一生懸命やるというふうにはいっておりますけれども、現状としては、非常に汚れた水のそばで、親水性ということで、東京都は親水性を都民に高めているわけですね。非常に矛盾しているわけです。そういう面では、衛生上からも、この辺のところは三千人の頭脳を集めてご腐心いただきたいと思うわけです。
いずれにしましても、野川沿いの各市が積極的に野川の水質改善を行うよう、これからも大いに督励していただきたいと思います。
さて、野川とともに、もう一つ重要な水環境として玉川上水があります。下水の処理水を活用した玉川上水の
清流復活事業は、地域の水辺環境の改善に貢献するとともに、非常時の消火用水として利用できるものと考えられます。
そこでまず、
清流復活事業として
野火止用水や玉川上水に供給している処理水の処理方法と、非常に大切なんですが、その水質の状況をお伺いしたいと思います。
◯藤田技術部長 野火止用水や玉川上水などに供給しております処理水は、
流域下水道の
多摩川上流処理場の高級処理水を、BOD、SSをさらに除去するために急速砂ろ過し、さらに色度や臭気を低減するためにオゾン処理を行ったものであります。処理水の水質は、おおむね一リットル当たりBOD一ミリグラム程度で放流しております。
◯藤川委員 もう随分前ですが、初めて玉川上水に清流が復活したときに、沿線の住民たちは玉川上水に水が来たといって大騒ぎをしたわけです。それは、あの玉川上水には、関東の人釣り川として、有名な作家の命を奪ったり、いろいろな形で多くの人命があそこで奪われたほどすごい水量の水がとうとうと流れていて、沿線の住民は常に玉川上水とともにあったわけです。玉川上水とともに生きてきたわけですね。その玉川上水が最近随分変わって、処理水しか流れていないという状態なわけですが、今、部長のご説明にもありましたように、相当きれいな水になっているということは、私は近所に住む者として実感しているわけです。当初流れてきたときには相当強い臭気を放っていたんですが、最近はようく注意しないとにおいがしないという状態になっていることはよくわかっているわけです。
ところが、地元の方々が最近気づいたことがあるわけです。それは、玉川上水の処理水が流れてきているわけですが、水量が減っているんじゃないかという、単純な感覚的な質問を私は受けたわけです。委員会の資料としていただいた資料を見ましても、水量が減っているということが顕著なわけです。
下水道局から送っている水量に年ごとの変化があるのはどういうわけか、ご説明いただきたいと思うわけであります。
◯藤田技術部長 玉川上水などの
清流復活事業は、当局が環境保全局から受託しまして事業を行っておりまして、送水量につきましては、環境保全局の指示によっております。また、多摩川本川の水量確保のため、建設省と東京都の間で、
野火止用水・玉川上水及び千川上水への下水処理水の送水に関する覚書というのを締結しておりまして、この覚書に基づき、多摩川の水利用などに影響がある場合には、多摩川の水量確保のために、玉川上水などへの送水量を制限することがあります。
例えば、平成九年度でございますが、一時期、多摩川の水量確保のため、玉川上水などへの送水量の制限を行っており、それによって年間の送水量に変化が生じたわけでございます。
◯藤川委員 玉川上水という一つの水路が、大変に複雑な水路であるということが、近所に住んでいるとよくわかるわけです。建設局とか、水道局とか、
下水道局とか、何と教育庁まで絡んできて、いろいろなところが複雑に絡んであの水路を維持しているということがわかるわけです。そういう面で、一つのことを問題提起しますと、これはあっちの局だとか、あれはあちらだとかという形で、何もわからない我々は上手に逃げられてしまうわけです。ですけど、そこに問題があるということは間違いがないわけでして、あそこに水を流すということは、東京都民、三多摩の人たちにとっては大切なことなわけです。
ですから、のど元過ぎれば熱さを忘れるといういい方がありますけれども、阪神・淡路大震災が起こったときに、東京都は何ていったかというと、何といっても水道が断たれてしまうわけですから、川とか、湖とか、そういう天然の水を使ってまずは急に当たるということをいっていながら、阪神・淡路大震災から一年たち、二年たち、三年たつに従って、処理水すらも流れてくる水量が減ってきているという状況は、やはり防災面から東京都民を、何か知らないけれども、ばかにしているのかなという感じを私は強く持つわけです。こんなことをいうと笑われるかもしれないけれども、そんなにお金がかからないのであれば、大切な都民の生命を保つという意味からも、この辺のところは関係の局が声を大きくして主張していただきたい、そういうふうに思うわけです。
私自身、阪神・淡路大震災の後にあの地域に三回入りました。十五分で行くところを、何と三時間三十分かかって、目的地にバスを乗り継いでいったという経験があります。そのときに一番困ったのは、トイレがないということですね。神戸とか大阪とかにホテルをとることができませんで、辛うじて京都にとって行ったんですが、京都のホテルを出てから帰ってくるまでに、トイレに行くことができたのはたった一カ所、兵庫県庁だけだった。適当にやればいいじゃないかという人がいるかもしれませんが、五千人も六千人もの人の命が奪われたところで、いろいろなところに献花されている状況の中で、とてもそういう気にはなれないから、我慢して苦しい思いをしたことがあるんです。
そういう面で、消防用水としても、玉川上水を流れている水は大変貴重な水であると思います。このことは、玉川上水だけではなくて、城南三河川についてもいえることで、下水道の再生水というのは、震災時に大変に大切なものだと思います。
ところで、これらの下水再生水は、震災時にも十分に供給できる体制にあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
◯小山計画部長 現在、都内の大部分の処理場が消防水利として指定を受けているというのが実情でございます。さらに、今お話のございました区部の城南三河川に送っております城南河川清流復活施設につきましても、消防庁の巨大水利として位置づけられております。
また、当局といたしましても、下水道の施設そのものの耐震補強等にも取り組んできております。今後も、本年八月に我々が策定いたしました
下水道局地震対策マニュアルに基づきまして、下水道の地震対策を進めてまいりますとともに、震災時においても消火用水として利用できるよう、
清流復活用水についても可能な限り送水をしてまいりたい、このように考えております。
◯藤川委員 東京消防庁の方から恐ろしいような話を聞いたわけです。それは、もし電気が断たれたときに、処理水をつくるための電気が来なくなると、どうやって処理水をつくるかというと、わずかに二日分だけ蓄えられている、あれは重油ですか、を使って処理水をつくる。だけど、二日たってしまって、不幸にもそのときにも電気が来ないという状況であると、玉川上水に水が来ないという状態が起きる。そうすると、今部長からお答えいただきましたように、極力処理水を供給するような体制をとりたいといっても、つくる方途が断たれてしまうわけですから、そういう面では、やはり問題なんだろうなと思って……。東京消防庁は大変だというようなことを、私はその人から意見を聞いたことがあります。
いずれにしましても、こういう不測の事態に陥った場合にはどうしたらいいか、こういう場合はどうしたらいいんだということをいろいろシミュレートしながら、対策を講じていただきたいと思います。
私は、自然の水を東京都に復活させるということ、それを河川に導入するには二つの方法があるんだろうと思います。一つは、高層建築だとか、いろいろなインフラ整備の中で、いろいろな形の水脈が断たれてしまう。その水脈が断たれてしまったときに、とうとうと湧出する水をどういう形で処理しているかというと、JR武蔵野線の場合には、きれいな水がそのまま捨てられてしまったわけですね。親水性だとか、水辺だとか、景観だとかいっているにもかかわらず、野川の水は枯渇して、渇水期になると、野川にすんでいる魚があっぷあっぷしているという状態が起きるわけです。ですから、国分寺に真姿の池というのがあって、それも干上がってしまっているんですが、あそこへ持ってきて、それを野川に落とすということも考えていいのではないか。
それから、小金井市では、雨水を武蔵野台地に返すということで、野川の復活のために、湧水の水量をより一層増大させるために、いろいろの市民の協力を得て、一生懸命雨水の浸透ますを設置しているわけですが、この点については、最近の新聞では三万個に達したと。そういうことであれば、東京都内においても、皆さんの指導によって雨水ますを数多く設置することによって、東京都内二十三区の河川の水量をいろいろな形で増大させるお考えを持つべきではないかと私は思うわけです。
費用はそれほどかからないと思いますが、昨今の経済事情の中で、そういう有力な方法をとることはないものかということについて、質問させていただきたいと思います。
◯小山計画部長 雨水浸透について進める方法はないかというご質問だと思うのですが、これは、
多摩地域等では市町村が中心となって、かなり積極的に進めていらっしゃると聞いておりますし、二十三区におきましても、浸透というのは、今、いわゆる地下水還元、浸水対策という意味での流出抑制、いろいろな役割ということで、積極的にやっていこう。下水道につきましても、既に一〇〇%ということで、工事をやっていく場所が非常に少ないんですけれども、工事をやる場所では、可能な限り公設ますについても浸透のものを採用していきたい。それから、宅地の中についても協力をお願いしていきたい。こういったことで、できるだけ進めていくべきだという姿勢で臨んでまいりたい、このように考えております。
◯藤川委員 随分前に出た本ですが、その本の中で、皆さんご記憶にあると思いますが、日本人は安全と水はただだと思っていると。先ほどどなたかおっしゃいましたけれども、水というのは大切なもので、いい水を確保するということがだんだん難しくなってきている。そういう面では、
下水道局を初め、よい水を東京都民に供給するという立場にある皆さん方にとっては、大変苦しい思いをされるんじゃないかと思うわけです。
先ほどの、ある大国の縫製工場に行ったときに感じたことですが、環境整備の先進国と環境整備の後進国の間で、将来、国境をまたいだいろいろな形の紛争が起こるのではないかと私は思ったわけです。現在、既にそういう問題があるということを聞いておりますが、そういう面で、これからいろいろな種類の環境というものをしっかり整備するということは、我々に課せられた一つの大きな課題であろうかと思います。これから、水環境という広い視野に立って、さまざまな施策を経済的かつ効果的に展開していただきたいわけですが、その点について局長さんは基本的にどのようなお考えを持っていらっしゃるか、それを聞いて、私の質問を終わらせていただきます。
◯鈴木
下水道局長 都市生活あるいは都市活動によりまして、一度汚れた水を再びきれいにして川や海に戻すという下水道の働きにつきましては、都市の水循環において中心的な役割を果たすものでございます。このため、日常の
維持管理に万全を期するとともに、
高度処理とか、あるいは
合流式下水道の改善による公共用水域の水質改善に取り組むなど、循環型社会づくりに貢献するための事業展開を積極的に図ってまいりたいと考えております。
◯木内委員 私は最後の質問者でありますので、審議の円滑化を念頭に置きながら端的にお尋ねをいたします。
もとより、戦後の社会構造あるいは都市環境の激変の中で、
下水道事業に携わる皆さんの位置づけというのも、また大きく変わってきているわけであります。本委員会における審議といいますのは、平成九年度の決算に関する審査でございますので、既にちょうだいをしております資料に基づいて、平成九年度の、申し上げた
下水道事業の各部面の角度からの質疑を行ってまいります。ポイントに絞ってご答弁をいただければと思います。
下水道事業会計を見てまいります場合に、損益的収支と資本的収支を総合的に勘案して、この内容を見ていくことになるわけでありますけれども、まず、私は平成九年度の損益的収支についてお尋ねをいたします。
そこで、事業の収益性を示す経営比率についてでありますけれども、この見方は幾つかかあるわけですが、いわゆるその企業の収益力を見る営業利益率についてであります。区部、流域を合わせた営業収益、営業利益率は、平成八年度、すなわち当年度の前年、二一・一%であったものが、九年度には二一・四%に向上しているわけであります。さらに総費用対総収益比率は、費用が収益によってどの程度賄われているかをあらわすと同時に、一〇〇%以上になると、いわゆる赤字になることをあらわす指標になっているわけであります。これは平成八年度の九九・三%から九五・七%へと、やはりこれも向上している跡が見られます。
これをさらに精査いたしますと、主に営業利益が前年度の五百六十二億余円に比べて十億余円増加したこと。それから、総費用が前年度の三千六百三十七億余円に比べて四十七億余円減少した一方で、総収益が前年度の三千六百六十二億余円より八十九億余円増加したことによる、こういうふうに私は見ているわけであります。
そこで、この経営基盤の中で非常に重要な部分でありますので、具体的にお聞きをするのでありますけれども、総費用の四十七億余円の減少及び総収益の八十九億余円の増加の理由、この内容についてどのように認識をしておられるのか、まずお尋ねします。
◯
緒方経理部長 損益収支に関するお尋ねでございますけれども、総費用の四十七億余万円の減少につきましては、企業債の平均借入利率の低下による支払い利息の減少、さらには経費節減等による処理場の
維持管理費の減などが、その要因でございます。
また、総収益の八十九億余万円の増加についてでございますが、増加分の主なものといたしましては、用地活用等に伴う特別利益が百億余万円ございました。一方、減少分の主なものといたしましては、企業債支払い利息等に関する一般会計補助金の減少ということでございまして、この増減の差し引きが八十九億円となったものでございます。
◯木内委員 ただいまの答弁によりますと、
維持管理経費の節減については、おっしゃるとおり、一定の経営努力というものを私は見ることができると思うのです。ただ、その他については、必ずしも経営努力によるものではない。むしろ外的環境的要因というものによってこうした数字が出ているということもあるわけであります。例えば今日の低金利による支払い利息の減、または臨時的な特別利益、こういったものが計上されて、わずかながら収益比率が向上している、こういうことになるんだろうと思うんですね。
そう考えてまいりますと、申し上げるように、外的要因によるこうした数字の結果が出ているという面が多分に多いわけでありまして、恒常的といっていいと思うんですが、必ずしも収益性が安定しているわけでもない。こういう指摘もできるわけです。
そこでお尋ねをするのは、営業収益の大部分を占めるとともに、
維持管理費や企業債利息の支払いなどの重要な財源となる、いつも問題になりますけれども、下水道料金との関係であります。
経年度で見てみますと、下水道料金収入は、大口排水件数及び中口排水件数が減少したことなどによって、前年度に比べて四億余円減の千六百五十二億円となっている。具体的にお尋ねをするわけでありますけれども、平成八年度と比較して、大口及び中口の件数と水量がどの程度減少してきているのか。また、
下水道事業に携わる局として、その原因として何が社会的要因として考えられるのか。先ほど、低金利による支払い利息の減、あるいは臨時的な特別利益という外的要因について私は触れました。同時にまた、そうした原因となっております社会構造上の要素等もあるというふうに私は考えるんですが、認識について伺います。
◯今井業務部長 平成九年度の調定件数と調定水量を平成八年度と比較をいたしますと、一カ月に千一立方メートルでございますが、この水を排水いたします大口の使用者につきましては、年間の調定件数で三十五件、水量では約百十七万立方メートル減少してございます。また、一カ月に五十一から千立方でございますが、この水を排水いたします中口の使用者につきましては、年間の調定件数で約四万二千件、水量では約三百八十三万立方メートルの減少でございます。
次に、大口、中口使用者の件数、水量の減少した原因でございますが、これは長期にわたる景気の低迷などの経済的な要因に加えまして、工場等の郊外への移転、節水器の普及、さらには使用者の節水意識の高まり等の構造的な要因が複合したもの、このように考えてございます。
◯木内委員 質問で指摘を申し上げたように、いわゆる外的要因というものがここで相当複合してきている、こういうことがいえると思うんですね。したがって、こうした認識の上に立った新たな下水道行政の対応というものが、当然要請をされる時代に入ってきている。これがまず申し上げられると私は思います。
そこで、今の答弁でもありましたけれども、大口や中口の排水件数、水量の減少は構造的なものである、こう判断せざるを得ないわけであります。そうしますと、今後とも、膨大な施設の
維持管理というものが、同時に財政基盤の安定化の中では適正に実施されなければならない、こう考えるわけであります。料金収入に直結する大口、中口排水者の使用水量の伸びは、それほど期待できなくなっているんだということだと思うんですね。そこで、最少の経費で質の高い下水道のサービスを都民に提供するためには、この
維持管理という面についていかに効率的に行っていくかということが重要な課題になってくる、こう私は指摘をしたいのであります。
そこで、申し上げております
維持管理について伺いますけれども、
下水道施設の
維持管理というのは、重要な割には、先ほど来の質疑の中でも散見されておりますけれども、意外と都民の目には触れにくいものになっているわけであります。区部における
下水道施設の
維持管理の現状について、簡単にご説明を願いたいと思うし、先ほど中山委員の質疑にもいみじくもありましたけれども、管渠における老朽化などの原因によって、管の破損に伴う道路陥没も指摘をされておりました。断じてこうした事故や不慮の災害があってはならないわけでありますけれども、こうした道路陥没等の年間の発生数、例えば平成九年度のみでも結構ですから、手元に掌握しておられれば、その実態についてのご報告も願いたいと思います。
◯大迫施設管理部長 平成九年度末現在、区部の
下水道施設は、管渠約一万五千キロメートル、ポンプ所七十七カ所、処理場十二カ所に達しております。
この膨大な施設を二十四時間休むことなく機能させ、都民サービスの低下を来さないよう、日ごろからきめ細かな点検、清掃など、
維持管理や効率的な運転管理を行っております。また、古い施設の補修や更新を行い、機能を保持いたしております。
さらに、処理場においては、有害な物質の流入時には、処理機能に支障を来さないよう、緊急対応を図っております。
また、ポンプ所におきましては、特に台風及び集中豪雨のときに、的確な運転管理により、揚水機能の確保を万全に行いまして、浸水被害の軽減に努めております。
管渠におきましては、老朽化などの要因により、管破損に伴う道路陥没が、平成九年度におきましては年間約千三百件発生しております。その緊急対応により二次災害を防止するということが非常に大事でございますので、この対応に万全を期しております。
◯木内委員 ご報告の決算書によりますと、施設の
維持管理に要した費用というのは、当年度総額で約一千億円、こうなっているんですね。企業経営という観点から見ますと、効率的な
維持管理を行って経費を抑制していくということは、最重要課題であります。
そこで、具体的にお尋ねをするんですけれども、
下水道局として、平成九年度までに効率的な
維持管理を行うための具体的措置をどのように講じてきているかということと同時に、十年度以降の年次計画の中で
維持管理に関する対応をどのように位置づけておられるか、これも端的で結構です。
◯大迫施設管理部長 効率的な
維持管理を行い、経費を抑制していくということは、非常に重要なことだと認識しております。
下水道施設の
維持管理全体にわたって業務内容の見直しを行い、新技術の採用や運転改善に取り組み、
維持管理経費の抑制を図っております。
具体的には、管路内テレビカメラ調査、ポンプ診断システム等を活用し、予防保全、また道路を掘削することなく管渠を更生する非開削工法などの新技術を採用いたしまして、また汚泥焼却率の向上を図るなど運転改善を図りまして、経費の削減に努めております。
あわせて、電力の契約内容の変更による経費の削減及び
光ファイバーを利用した遠方監視制御などを実施しております。
平成十年度以降は、これまで実施してきた方策のより一層の採用拡大を図るとともに、新しい方策として、下水から発生する、ポンプ所のスクリーンなどにかかる、しさの焼却を清掃局に委託するなど、経費の節減を図っております。
◯木内委員 恐縮ですが、ちょっと重複しますが、詳しく教えてください。項目を挙げられて、平成九年度までの努力課題、実施内容をご説明いただきました。十年度、下水から発生するしさの焼却を清掃局に委託することで経費の削減ということなんですが、スクリーンにかかったかすみたいなものをいうんですか、この点をもうちょっとわかりやすく、詳しくご説明いただくとともに、清掃局に──これ、余りご説明が難しいなら、私、後で勉強しますからいいです。それで、しさの焼却を清掃局に委託することで経費の節減を図る、この経費の節減は年間でどのくらいになりますか。
◯大迫施設管理部長 まず、しさの性格でございますが、ポンプ所の管渠から入ってくるところにスクリーンがございます。そのスクリーンにひっかかった紙とか、ごみ、布切れ、たまには木材もございますけれども、そういうものをかき上げまして、これは処理場に入ってくると処理できませんので、これを取り除いて、今までは専用の焼却炉で焼却しておりました。これをポンプ所ないしは処理場の近くの清掃工場に搬入いたしまして、清掃工場で焼却していただくという形に変えたものでございます。
これの平成十年から平成十三年までの四カ年の経費節減は、九億八千四百万円計上してございます。
◯木内委員 十、十一、十二、十三、四カ年で十億弱、九億八千万ということですね。こういった具体的課題の充実拡大ということも念頭に置いて、ぜひご努力を願いたいと思います。
いずれにしても、こうした経費の削減ということは、今後の財政基盤を安定させる上では不可欠のものであると考えます。
この問題に関して、もう一点だけ。今の新
財政計画期間中の
維持管理費のトータルでの削減目標額、これは恐らく今のしさの焼却の清掃局への依頼等も全部含めたものだと思うんですが、合計でどのくらいに見込んでおられるのでしょうか。
◯大迫施設管理部長 先ほど述べました方策を実施することで、平成十年度から平成十三年度までの新財政期間中、約七十七億円削減をいたします。また、そのほか、補修工事の選別や、工事の優先順位づけなどを行うことによりまして、補修費を約百六十四億円抑制することにしており、合わせて二百四十一億円となります。
今後とも一層の効率的な
維持管理に努めてまいります。
◯木内委員 二百四十一億円、四年間での削減目標ということは、これは都民の期待の集中するところでもありますので、ぜひ一層のご努力を願いたいと思います。
下水道は、都民の大切な社会資本でありますし、東京の都市活動が続く限り、いいかえれば
下水道施設が存続する限り、それこそ
維持管理というものはとこしえに継続をしなければいけないものです。また、効率性あるいは重要性というものを形に変えて積極的に都民に訴えていく、こうした努力も必要だと思いますので、ここで要望にとどめておきます。時間の関係で答弁は要りません。
それから、もう一点だけお尋ねをしておきます。平成九年度における都内における処理場、ポンプ所の上部利用の実態がどのようになっているか、これも端的にお答えをいただくと同時に、地元区市町村との役割分担がどうなっているのか、どのような要望が都に寄せられているのかも含めて、ご答弁を願います。
◯大迫施設管理部長 処理場の上部利用についてでございますが、三河島処理場上部の荒川自然公園や砂町処理場上部の新砂運動場など、平成九年度末現在、十一施設、約三十九ヘクタールを公園やスポーツ施設等に利用しているほか、一部のポンプ所の上部も公園、広場等に利用しております。これらの上部利用施設は、地域住民のレクリエーションや憩いの場として親しまれております。
また、これの役割の分担でございますが、地元住民と最も密接な自治体でございます地元区と十分協議の上、
下水道施設の機能を妨げない範囲で、下部につきましては
下水道局が担当いたしまして、上部の公園の工事なり、あわせて管理につきましては、区の役割になってございます。
◯木内委員 私は、かつての都市構造の中におけるこういう処理の地理的条件というものは、ここ数年に至って、随分と利便性の高い、また有益性のある位置に変わってきているというふうに判断をする上から、恐らく五十年、百年の大計に立った都政のあり方、行政の課題として、いわゆる施設の上部利用については、研究プロジェクトチームなどが設置されてよろしいのではないかというくらい、豊かで潤いのあるまちづくり、都民生活の環境づくりの過程の中では重要な位置である、こういうふうに認識をしているわけであります。
立地条件に非常に恵まれたものもあるわけでありまして、これらの施設の上部利用に当たっては、
下水道事業における収益の面からも、長期的にある程度の考察は加えていかなくてはいけないだろう。この辺についてはどういう見解をお持ちなのか、お尋ねして、私の質問を終わります。
◯山田参事
下水道施設の有効利用につきましては、財政の健全化、安定化のために、また、地域のまちづくりへの貢献等の都民サービスの向上へ寄与するものと認識しております。
当局におきましては、これまで、文京区にあります後楽ポンプ所におきまして、民間企業との合築を進めるなど、施設の有効活用を行ってきたところでございます。
今後とも、
下水道施設の新設や、あるいは再構築に合わせまして、その用途、目的を妨げない限度におきまして、局財政の貢献のため、可能な限り資産の有効活用を進めていきたいと考えております。
◯丸茂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯丸茂委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で
下水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時十分散会...